私達で叶える夢の物語
高校一年生の夏に私達は出会った。
別に、学校が違うとかではなくて、お互い、保健室登校になったのがきっかけだった。
うちの学校はマンモス校で、7クラスまである。
勿論生徒全員の顔を覚える事なんて確実に無理だ。
先生だって覚えきれていない。
奏と私はクラスが違った。
お互い、クラスで孤立して、居場所なんてなくなって、避難してきたのがたまたま保健室。
不登校っていう逃げ道もあったけど、私達は多分、それは負けたことになるから保健室登校の道を選んだんだと思う。
じゃなきゃ、とっくに不登校になっている。
 
        *
私は高校1年の冬に保健室登校を始めた。
先生から勧められたからなんだけど。
私が保健室にいくとすでに前から保健室登校をしている男の子が勉強していた。
顔は整っているし、背も高い。
こんな子でもクラスで孤立することもあるんだ。
「なんか、不思議だなぁ … 」
「 何が、? 」
心の声が普通にいってしまってたらしい。
男の子の声で我にかえったが既に遅い。
なんとかしてごまかさないとな…
「 ふぇ、あ、あの … その 、ひぃ…すみません … 」
「 ぷっ …、 そんなに緊張しなくても俺は何もしねーよ、 」
そう笑顔で言われたとき私は恋におちた
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