不埒な専務はおねだーりん

「子供のキスが嫌なら、大人のキスでもしてみるかい?どっちがいい?」

どちらがいいか聞かれても困ってしまう。

なによりキスをするのが大前提となっていることに私はまだひとっつも!!納得していない。

「どっちも嫌ですよっ!!」

思い切って叫ぶと、篤典さんはガーンと頭にタライでも落ちてきたのかというほどの衝撃を受けていた。

しかし、それも一瞬の事だった。

篤典さんは自力で立ち直ると、即座に反論してきた。

「僕はこれでも譲歩していたつもりだよ!!先日、君に想いを打ち明けた時も色よい返事は得られなかったが、それは僕が男として認識されていないからだと無理強いはしなかっただろ?」

「あれって……。そういう意味だったんですか!?」

「……やっぱり伝わってなかったんだね」

それみたことかと、恨めし気におでこをつつかれる。

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