わたし、結婚するんですか?
 



 美味しい料理と美味しい酒とチャトランと。

 勢いのある葉山のしゃべりと、意外な展開の多い遥久の話とで。

 なかなか楽しい食事になった。

「……山の怖い話をしてやろう。
 夏だから」
と言い出す遥久に、

「怖い話は結構です。
 それより、私はこの魚介系のゴミが凄い匂いを放ちそうで怖いんですが」
と余った分を塩ゆでにした海老の殻を眺めていると、葉山が、

「包んで冷蔵庫で冷やしとけよ、ゴミの日まで」
と言って、辺りを見回したが、なにもなかったようで、

「ほら」
と鞄の中からパンフレットのようなものを引っ張り出してきた。

「ああ、ありが……」

 との字が出なかった。

 何処かで見たような鮮やかな海と白い神殿がそのパンフレットには映っていた。

 早速、その上に海老の殻を放ろうとする葉山を、
「待ったっ!」
と止めた。

 それは、イグレシアのパンフレットだった。

 しかも、今、家にあるのと写真が違う。
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