わたし、結婚するんですか?
 




 お風呂から出た洸は、しまった、と思っていた。

 お風呂に入る前に、箪笥から下着とパジャマを取ってくるのを忘れていたからだ。

 洗面所兼脱衣所がちょっと狭いので、下着の入っている箪笥は寝室にあるのだ。

 ま、まあ、寝てるからいいか、と洸はタオルを身体に巻いて、そうっと脱衣所を出た。

 遥久の顔はこちらを向いているが、よく眠っている。

 よしっ、と思い、さささっ、と寝室に移動した。

 ドアを閉め、ほっとした洸は、よしよし、これで、ゆっくり着替えられる、とベッド横の押し入れを開けた。

 箪笥を置けるいい場所がなかったので、箪笥ごと押し入れの中に入れているのだ。

 ゴソゴソと下着を出していると、

「洸?」
と声がした。

 なっ、何故、このタイミングで起きてくるのですかっ。

 動転した洸は、手にしていた下着を放り出し、思わず、ベッドの陰にしゃがんでしまう。

「洸、何処だ」
と遥久の声がドアの向こうからしている。

 こ、このまま見つかったら、半裸で隠れている変な人になってしまうっ。
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