わたし、結婚するんですか?
ラグの上で目を覚ますと、遥久が横に居て、自分を見ていた。
家族以外の人間が眠っている自分をこんな風に微笑ましげに見ていたことってないな、と思うと、またちょっと胸が痛くなった。
遥久は身体に、さっき彼にかけてあげていたブランケットをかけてくれていた。
二人で一枚の小さなブランケットに入っている。
なんでだろう。
なにもない場所で、一から始める新婚生活を思い浮かべてしまった。
「本当は今じゃないときがよかったな」
と遥久はちょっと寂しそうに笑って言う。
「お前が本当に俺のことを好きだと思ってくれたときにしたかった。
お前にそんな不安そうな顔をさせたくなかったから」
お前には笑っていて欲しいんだ、洸――。
そう言って、遥久は、洸の背中にそっと手を触れ、抱き締めてくる。
いえ……。
私は貴方のことを好きなのかもしれません。
そう洸は思っていた。