わたし、結婚するんですか?
「みんなに、人生で一番綺麗なお前を見せたくないような気もするんだが。

 見せびらかしたいような気もしている。

 ……難しい問題だな」

 いや、常に考えすぎな貴方にとって、難しいだけですよね、と思いながら、駅に着いたので降りる。

 遥久はまだ考えていたようで。

「いや、人生で一番綺麗というのは、言い過ぎだな。
 子どもを産んだあとが一番綺麗とか言うからな。

 よし、産んだあとは、男は面会謝絶にするとしよう」
とよくわからないことを言い出した。

 ……私以上に、妄想が駆け巡る人だな、と思いながら、並んで駅から歩く。

 だが、どっぷり愛されている感じが伝わってきて、ちょっと怖いが、嫌ではなかった。

 私もただ考えすぎなだけなのかも。

 うん。
 そうだな、と月を見上げて思う。

 なにもかも、ただ、私の考えすぎだといい――。

 そう思って着いたイグレシアの玄関前には、母、エリカと章浩が居た。






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