わたし、結婚するんですか?
 もう一度座ると、急いで全部食べて、外に出た。

 建物の陰でスマホを出し、あの番号にかける。

『はい、新村です。
 って、さっきの人っ?』
とこちらの番号を見て、新村が言ってくる。

 うわー、やっぱり、課長と関係のあった人だと思うと、話すのも抵抗あるなーと思いながらも、洸が口を開きかけたとき。

『よかった。
 ちょっと今、忙しかったから、一段落したら、連絡しようと思ってたの』

 お礼をしようと思って、という新村に、
「お礼はいいです」
と洸は言った。

 部長もたぶん、そういうと思うから。

「でも、もしよかったら、少し会っていただけませんか?」
と言うと、少し考えた新村は、

『……脅す気?』
と恐々言ってくる。

 あのFAXのことを言っているのだろう。

「もうシュレッダーにかけましたよー。
 その件じゃないです」
と言ったあとで、洸は言った。

「……悠木遥久さんのことでちょっと」
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