わたし、結婚するんですか?
 



 洸に昔の悪事がばれて、破談になりかけたとき、いい具合にというか。

 洸が記憶喪失になってくれた。

 このまま、うやむやのうちに結婚してしまおう、と多少強引に出ていたのだが。

 ある日、洸が自宅に男を連れ込んだ。

 いや、実際は、大量に人が来ていたようなのだが、自分の目には、とりあえずの敵、葉山しか見えてはいなかった。

 ビニールに包まれたキャットタワーを抱え、遥久は洸に言った。

「……洸。
 俺が居なかったら、すぐに別の男を連れ込んでるのか」

 いつも白い洸の顔が恐怖でか、更に白くなっていた。

 どうした、洸。

 なにかやましいことでもあるのか。

 俺はやさしく問いかけているだけなのに。

 そうだ、殺(や)ろう――

 と遥久は洸と並んで立つ葉山を見ながら思った。

 また、葉山がドア側に立っていて、自分が客の立場というのもムカつく。
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