わたし、結婚するんですか?
 




 あの川原には行きたくない、と遥久は主張したのだが、お前の行きたい駄菓子屋に行ってやっただろう、と子どもたちに言い返され、仕方なく、川原に行った。

 駄菓子屋で買ったシャボン玉をみんなで飛ばす。

 一緒に釣りをしたり、川の真ん中の大きな石の上で甲羅干しをして休んでいるカメを眺めたり。

 途中からは、洸と子どもたちの写真を撮ってやった。

 のどかな休みだな、と思う。

 洸と出会うまで、こんな日々が自分に訪れるなどとは思ってもみなかった。

 そして、橋げたの方を見て、あんなところで、新村と出会わず、キスされなかったら、なんの騒動も起こらず、洸と一緒になれていたのに、と思う。

 いやいやいや。

 あの騒ぎのおかげで、俺たちの心は、より強く結びついたに違いない。

 そう信じよう、と遥久は勝手に思う。

 洸が記憶をなくしたあと、無理やり洸の家に訪ねていったとき、キスしかけてやめた。

 なんだか強引にするのは可哀想な気がしたからだ。
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