キミが可愛いわけがない


「ちょっと、離してよ有馬!」


有馬の腕の中にすっぽり入ってしまって身動きが取りづらい。


ほんと、なんなよこいつ!!


「なんかあった?」


「……は、?」


「柚希、最近元気ないし」


は?私が元気ない?
なんでそんなこと有馬に言われなくちゃいけないの。元気だっての。


「元気だし」

「嘘」

「別にどうでもいいからさ、早く離してくれる?」

「……」

「有馬」


声を低くしてて少し叱るように名前を呼ぶと、ゆっくりと体が離れてくれた。


「なんの真似」

「……だって、俺も柚希が楽しくねぇと学校楽しくねぇし」


またほんとうに思ってるのか思ってないのかわかんない言葉がスラスラと出てくるもので関心しちゃう。


「本当になんもないから」


「…最近、一緒にいたミスちゃんとなんかあった?」


こいつは…人の話聞いてんのか?


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