キミが可愛いわけがない


「私がこういう反応だって、わかってて有馬は誘ったんじゃないの」


「いや、そうだけど…。なんか、脈なんかないってわかってても、それでも、もしかしたらとか奇跡とか期待しちゃうんだよ」


なにそれ。


「バカじゃん」


「うっ。柚希は…」


「ん?」


「やっぱなんでもない」


「なにそれ」


「なんでもねぇーから。行こ」


「ちょっ、」

私は、慌てて少し早歩きになった有馬を追いかける。


なんなのよ。変な有馬。


さっき見た映画、もう一回見たいと思った。今度一緒に見るなら───そう考えた時、


また彼の顔が浮かんだ──────。


友達いなさすぎかよ、私。



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