キミが可愛いわけがない





「2人をくっつけるのに協力するって言った以上、やっぱりああいうのは気持ちよくないし。ユズちゃんのこともわざと避けるようなことしっちゃったから」


「…ありがとう」


「本当に、私がしてあげるのは今日で最後だからね。楠木くんにとってもきっと今日がチャンスだよ。今日を逃したら多分ない。ちゃんと、自分の気持ち自分の言葉で伝えるの」


飾られた体育館の玄関前で、若松と話す。



「あぁ」


「私も、今度はちゃんと闘う!」


「なんか、頼もしいよ」


「こっちは全然頼りないけどね」


「う、」


「今度話す時は、ダブルデートが決まった時だね」


「いや、俺今完全に振られに行くモードなんだけど」



「それ以上しゃべんないで」



俺たちはゆっくりと、歩き出した。



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