キミが可愛いわけがない


「うわー!芽郁くん、料理できるんだ?!」


キャーキャーと騒ぐ黄色い声が少し離れたテラスから聞こえる。


芽郁が女の子たちに囲まれながら焼きそばを作っていた。


準備早いな…2組。


「うわー楠木くん大人気だね…」


同じグループの女の子が女子に囲まれてる芽郁を見て、若干引いている。


ふん。

なんなのよ芽郁…。

ひとりぼっちで落ち込んでるかもと思ったら、


料理できるアピールしてちやほやされてんじゃん。(ただ与えられた仕事をやってるだけ)


心配して損したよ。


「河西さん、鉄板の用意できるまで早速野菜切ってくれる?」


「あ、うん…」


どーしよ。私本当に下手なんだよな…。


とりあえず、野菜を洗いに少し離れた洗い場に向かう。


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