キミが可愛いわけがない
「なーに怒ってんのー?」
…っ!
有馬…。
「別に。てかなんでいるの」
「いや、だって俺も料理担当だし」
あ、そうか…。
すっかり忘れてた…。
「で?なんでイライラしてんの?」
蛇口をひねってキャベツを洗う有馬は、なんだか慣れた手つきだ。
「だから……有馬と一緒でムカついてる」
なんでもないと言おうとしたけど、あえてそういう。
いつまでも私に付きまとわないでほしい。
まぁ、今回の担当はたまたまだったから仕方ないけど…。
「ねぇ、柚希」
「下の名前で呼ぶな気持ち悪い」
「今日の肝試し、一緒に回ろうよ」
はぁぁぁ?!
「人の話聞いてんのかお前!私はあんたが嫌いなんだよ!回るわけねーだろが!」