キミが可愛いわけがない
バーベキューの後、このバーベキュー会場隣の一本道の林をペアで回ることになってる。
でも、どうして私がこんなチャラ男と回らなきゃならないのか、実に意味がわからない。
「無理」
即答して、野菜を洗う。
「ふーんそう…」
おぉ、意外とあっさり引いてくれた有馬にちょっとホッとする。
「でもさぁ、グループ内でペア作るっていうのは決まってるよ?」
はい?
「なにそれ…」
私は手を止めて、なに言っちゃってんのって顔で有馬を見つめる。
「しおりちゃんと読んでないね?」
うっ。
「多分、柚希とペアになりたい男子なんて俺くらいだと思うし、俺とペアなのは決まったも同然だと思うけど、それでも無理やり違う男子とペアになりたい?」
はぁ?!
「なにそれ!無理やりってなによ!わかんないじゃん!あんただけじゃなくて他にも私とペア組みたいって思ってくれる男は…」
いや、きっといないぞ、河西柚希。
私は女子にモテるだけで男子には一切告白されたことも絡まれたこともないんだもの。
「ほら〜。まぁそうやってムキになる柚希も可愛いけどね」
っ!!
「ひっ!」
有馬が私の耳元で囁いたので思わず変な声がでた。