蜜月なカノジョ(番外編追加)
「………痛い」
「…え?」
「心臓が……痛い。痛すぎて死にそうなくらいに」
「え。えぇっ?!!」
そ、それは大変だ!
心臓発作なんて病気があるくらいだし、急いで病院へ行った方が____
「 ?! 」
慌てて立ち上がろうとした私の手がくんっと後ろに引っ張られた。
と思ったのも束の間、私の体は世界で一番安心できる腕の中に閉じ込められていた。
密着した体から本当に凄い心音が聞こえてきて、ますます大丈夫なのだろうかと不安になってしまう。
「言うだけ言って逃げるなんて許さないよ」
「ち、ちがっ…! ナオさんが死にそうに胸が痛いって言うから! もし心臓発作でも起こして倒れたら困るから! だから急いで病院に…!」
「……へ?」
へ? って。あなたが言ったんでしょうが!
「…………ぷっ、あっははははははははは!!」