蜜月なカノジョ(番外編追加)


「杏…」

スーッと顔を伝った滴がパタッと杏の頬を濡らした。
自分が泣いているのだと初めて気付いたのはその時だ。

…この俺が泣くなんて。生まれてこの方一度も泣いたことなどないこの俺が。
湧き上がってくる感情を、涙をコントロールすることすらできずに次から次に溢れ出す。
もしこんな姿を見られたらまた杏が離れていく要因を作ってしまうかもしれないのに。
そうわかっていても、どうやっても止めることなどできなかった。


涙と共に溢れ出すのは、ただただ目の前にいる女性が愛おしいというその想いだけ____





その後、ずっと杏の寝顔を見続けていた俺が夜明け間際についウトウトしてしまい、目覚めと共に杏がいなくなっていることに気付いて心臓が止まりそうなほどの恐怖に包まれたのは……また後日談ということで。

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