蜜月なカノジョ(番外編追加)
「可愛いなぁ~」
ベビーベッドですやすやと眠る赤ちゃんはまさに天使で、赤の他人の私ですら目尻が下がりっぱなしなんだから、ご両親からしたらもうたとえ火の中水の中なくらいに愛おしくて堪らないんだろうなぁ。
「よかったら抱っこしてみる?」
「えっ?!」
ぱっと振り返ったらいつのまにか涼子さんが立っていて。
彼女とは杏ちゃんと呼んでもらえるほどにすっかり打ち解けることが出来た。
「い、いえいえ! ぐっすり眠ってますし、それに、赤ちゃんの抱き方なんてよくわからないので…!」
「大丈夫大丈夫。この子寝つきが良くてそう簡単には起きないから。ね、よかったら抱っこしてあげてよ。せっかく来てくれたんだし」
「えっ?! あのっ…!」
あたふたしているうちにあっという間に赤ん坊を差し出されて、落としては大変だと慌てて両手を伸ばした。まだくにゃくにゃ柔らかい赤ちゃんの抱き方なんてよくわからなくてプチパニック状態。
「あ、すごいすごい。何も言ってないのに抱き方がすっごく上手!」
「ほ、ほんとですか? 大丈夫ですか? 落ちないか気が気じゃなくて…!」
「うんうん、ほんとに上手! 私が初めて子ども生んだときよりもよっぽど上手だよ~」
さすがにそれは言い過ぎでしょうと思いつつ、腕の中のふくふく温かい存在にほわわんと自然と顔が緩んでいく。
「あったかい…」
「ほんと、赤ちゃんってあったかいよね」
「すっごくすっごく可愛いですね」
「ふふ、ありがとう。親バカだってわかってるけど可愛いよね~」
親バカでもなんでもない。二歳だという上のお子さんもそうだけど、どちらもびっくりするくらいに可愛いのだ。
そりゃそうだ。両親がこれだけの美男美女なんだもん。
その気になればキッズモデルなんかも引く手数多だと思う。