蜜月なカノジョ(番外編追加)
「…っ、なっ、何やってんだよっ?!!」
啄むようなキスが何度か繰り返された後、ようやく我に返ったように怒鳴り声が上がる。
「なに、どうしたのー?」
「えっ、何々、ケンカ?」
あまりにも大きかったせいで、ガラッと襖が開いて中からスタッフが次々に顔を出す。
それに気付いていながらも、ナオさんも小笠原君も怒りが収まることはない。
…そして私もナオさんから離れることができなかった。
「どういうことなんだよ、丸山っ! お前あの彼氏はどうしたんだよっ?! そんな、オーナーとキ、キスだなんてしやがってっ…!」
その言葉に現場を見ていなかった面々がざわつき始める。
「あれは俺を突き放すための嘘だったのかっ?! それに、オーナーだって何考えてんですか! いくら助けるためだからって、従業員に、しかも女同士でキスするなんてっ…!」
酷いパニックと興奮状態にある小笠原君の声は止まらない。
彼が叫べば叫ぶほど、不思議と自分の頭が冷静になっていくような気さえした。
「嘘なんかじゃ…!」
「嘘なんか何一つついてないわよ~? 杏ちゃんには超ハイスペックな彼氏がいて、超~ラブラブなのよね?」
腕に抱き込まれたままそう問いかけられて、私はコクンと素直に頷いた。