百花繚乱 社内ラブカルテット
「『本店外為課の古川帆南』って言ったら、美人ってだけじゃなく、仕事は早いし後輩の面倒見も良い、清楚で優しい『聖女』って崇められてるの、知ってる?」
「せ、聖女!?」
水を飲もうとグラスを手にしていた私は、景がわずかに唇を尖らせながら言った言葉にギョッとして、大きく目を剥いた。
景が口にした言葉を自分で繰り返してみたら、声が裏返ってしまった。
景は「そうそう」と頬杖をつく。
「要は『マドンナ』ってことだよ、古川さんは。茶色いサラサラの髪、一度でいいから触ってみたいとか。色白のもち肌のほっぺ、つついてみたいとか。男の妄想掻き立てるんだよな。……お前、そういうとこ鈍感だし。そういう目で見られてるんだから、ちょっとは警戒しとけ」
マドンナとか聖女とか。
オフィスで『聖』のイメージは、あまりにおこがましくて恥ずかしい。
だけど。
「……田神君、妬いてる?」
最後はボソッと独り言みたいに呟いた景に、私も少しだけ身を乗り出して、小声でコソッと探ってみた。
途端に彼が頬をカッと赤く染める。
「なっ、何言ってんだよ、バカ」
わかりやすいくらいムキになって、景は素っ気なく言い捨てた。
「せ、聖女!?」
水を飲もうとグラスを手にしていた私は、景がわずかに唇を尖らせながら言った言葉にギョッとして、大きく目を剥いた。
景が口にした言葉を自分で繰り返してみたら、声が裏返ってしまった。
景は「そうそう」と頬杖をつく。
「要は『マドンナ』ってことだよ、古川さんは。茶色いサラサラの髪、一度でいいから触ってみたいとか。色白のもち肌のほっぺ、つついてみたいとか。男の妄想掻き立てるんだよな。……お前、そういうとこ鈍感だし。そういう目で見られてるんだから、ちょっとは警戒しとけ」
マドンナとか聖女とか。
オフィスで『聖』のイメージは、あまりにおこがましくて恥ずかしい。
だけど。
「……田神君、妬いてる?」
最後はボソッと独り言みたいに呟いた景に、私も少しだけ身を乗り出して、小声でコソッと探ってみた。
途端に彼が頬をカッと赤く染める。
「なっ、何言ってんだよ、バカ」
わかりやすいくらいムキになって、景は素っ気なく言い捨てた。