百花繚乱 社内ラブカルテット
景の方は、私の反応に驚いたみたいで、取って付けたような笑顔と返事を私に返した。
そんな景が、私にはちょっと珍しい。
「あの、田神君? もし仕事終わらないようなら……」
「いや! 大丈夫。店、考えておくよ」
「そう?」
ただの食事だし。
仕事があるなら無理しなくても、というつもりの言葉を、景は明るい笑顔で遮った。
いつもの彼の笑顔にホッとしながらも、私は何か訝しい気持ちで首を傾げる。
「あ、ほら。時間だろ? 古川さんは窓口だし、早く仕事戻れって」
景はそう言って、『早く行け』とばかりに手をヒラヒラさせて私を急かした。
それには私もなんとなく腑に落ちない気分のまま、小さく彼に手を振る。
どうしたんだろう、景。
やっぱり食堂でデートの確認なんかして、まずかったかな。
ほんの一瞬だったとはいえ、景の困惑したような反応が気になり、私は彼がいるテーブルを下膳台から振り返ってみた。
視界に映るのは後ろ姿だけど、景が再び食べ進めている様子は見て取れ、私はなんとなくホッと息をついて食堂を出た。
だけどその後、終業時間間際になって、景から行内メールが届いた。
『ごめん。急な用事が入った。食事の約束はまた日を改めて』
そのメッセージで、デートはキャンセルになった。
そんな景が、私にはちょっと珍しい。
「あの、田神君? もし仕事終わらないようなら……」
「いや! 大丈夫。店、考えておくよ」
「そう?」
ただの食事だし。
仕事があるなら無理しなくても、というつもりの言葉を、景は明るい笑顔で遮った。
いつもの彼の笑顔にホッとしながらも、私は何か訝しい気持ちで首を傾げる。
「あ、ほら。時間だろ? 古川さんは窓口だし、早く仕事戻れって」
景はそう言って、『早く行け』とばかりに手をヒラヒラさせて私を急かした。
それには私もなんとなく腑に落ちない気分のまま、小さく彼に手を振る。
どうしたんだろう、景。
やっぱり食堂でデートの確認なんかして、まずかったかな。
ほんの一瞬だったとはいえ、景の困惑したような反応が気になり、私は彼がいるテーブルを下膳台から振り返ってみた。
視界に映るのは後ろ姿だけど、景が再び食べ進めている様子は見て取れ、私はなんとなくホッと息をついて食堂を出た。
だけどその後、終業時間間際になって、景から行内メールが届いた。
『ごめん。急な用事が入った。食事の約束はまた日を改めて』
そのメッセージで、デートはキャンセルになった。