百花繚乱 社内ラブカルテット
もともと色素が薄めなのか、真っ黒ではないサラッとした焦げ茶色の髪。
少し長めだけどすっきりと綺麗にセットされていて、デキる銀行員としての風格を損なわない。
真っすぐで、少し 眉尻の上がった男らしい眉。
彼の名前の由来かと思える、涼やかで一本の矢のような切れ長の目元。
その奥の瞳は、髪と同じように少し薄い茶色。
全体的に淡白でどこか中性的で綺麗な顔立ちだけど、シャツの袖を捲った腕はしっかりと引き締まっていて、男っぽさを感じる。
そう、乙女が憧れるおとぎ話の王子様が、現代日本でエリート銀行員になったらこんな感じ……と思うくらい、姿形、性格、能力……すべてにおいて理想的で、夢のような人なのだ。
ある意味現実味がなくて、憧れはしても指を咥えて眺めるのが精一杯。
そんな感じだ。
「うん。よし。さすが古川さん。完璧」
私がぼんやりと観察している間に、書類のチェックを終えて、樫本さんは右手の親指を立てて微笑んだ。
誰もが認めるパーフェクトな男性に『完璧』と言われれば、もちろん悪い気はしない。
私はもう一つ鼓動を跳ね上がらせながら、微笑み返した。
「お役に立てたようで、良かったです」
暇を告げようとして、ショルダーバッグを肩に掛け直した。
「それじゃ……」
「あ、古川さん」
言いかけた途端、樫本さんが私の名を呼びながら遮った。
少し長めだけどすっきりと綺麗にセットされていて、デキる銀行員としての風格を損なわない。
真っすぐで、少し 眉尻の上がった男らしい眉。
彼の名前の由来かと思える、涼やかで一本の矢のような切れ長の目元。
その奥の瞳は、髪と同じように少し薄い茶色。
全体的に淡白でどこか中性的で綺麗な顔立ちだけど、シャツの袖を捲った腕はしっかりと引き締まっていて、男っぽさを感じる。
そう、乙女が憧れるおとぎ話の王子様が、現代日本でエリート銀行員になったらこんな感じ……と思うくらい、姿形、性格、能力……すべてにおいて理想的で、夢のような人なのだ。
ある意味現実味がなくて、憧れはしても指を咥えて眺めるのが精一杯。
そんな感じだ。
「うん。よし。さすが古川さん。完璧」
私がぼんやりと観察している間に、書類のチェックを終えて、樫本さんは右手の親指を立てて微笑んだ。
誰もが認めるパーフェクトな男性に『完璧』と言われれば、もちろん悪い気はしない。
私はもう一つ鼓動を跳ね上がらせながら、微笑み返した。
「お役に立てたようで、良かったです」
暇を告げようとして、ショルダーバッグを肩に掛け直した。
「それじゃ……」
「あ、古川さん」
言いかけた途端、樫本さんが私の名を呼びながら遮った。