百花繚乱 社内ラブカルテット
そしてその二時間後……。
私は樫本さんの向かいの席で、一杯どころかグイグイとグラスを重ね、撃沈していた。
「まあ、うん。結婚考える前に田神の浮気性知れて、良かったんじゃないのか? 結婚準備始めた後になってからじゃ、ダメージも大きいだろうし」
言ってることはもっともだけど、全然慰めには聞こえない。
樫本さんの言葉は、沈む私に更なる追い打ちを与えるだけだった。
「全然良くないですよ……」
愚痴っぽいな、と思いながら呟いた声は、自分でも呂律が怪しいとわかっていた。
「あ。もしかしてもう考えてたのか? 君の方は」
苦笑交じりに被せられた質問には、痛すぎて返事もできない。
結婚なら、『もしかしたらいずれ』くらいには考えていた。
そりゃそうじゃない。
二十九だし、付き合って一年経って、今のところ順調だと思ってたんだから。
なのに、あんな……。
お酒が回ったせいか、なんだか悲観的な気分になってくる。
目頭が熱くなるのを感じて、私は目を伏せそのままテーブルに額を預けた。
『浮気』なんだろうか。浮気、それだけ?
だって紀子ちゃんは、自分の退職をチラつかせて、『彼』に結婚のプレッシャーを与えていたくらいなんだから、本気に決まってる。
私は樫本さんの向かいの席で、一杯どころかグイグイとグラスを重ね、撃沈していた。
「まあ、うん。結婚考える前に田神の浮気性知れて、良かったんじゃないのか? 結婚準備始めた後になってからじゃ、ダメージも大きいだろうし」
言ってることはもっともだけど、全然慰めには聞こえない。
樫本さんの言葉は、沈む私に更なる追い打ちを与えるだけだった。
「全然良くないですよ……」
愚痴っぽいな、と思いながら呟いた声は、自分でも呂律が怪しいとわかっていた。
「あ。もしかしてもう考えてたのか? 君の方は」
苦笑交じりに被せられた質問には、痛すぎて返事もできない。
結婚なら、『もしかしたらいずれ』くらいには考えていた。
そりゃそうじゃない。
二十九だし、付き合って一年経って、今のところ順調だと思ってたんだから。
なのに、あんな……。
お酒が回ったせいか、なんだか悲観的な気分になってくる。
目頭が熱くなるのを感じて、私は目を伏せそのままテーブルに額を預けた。
『浮気』なんだろうか。浮気、それだけ?
だって紀子ちゃんは、自分の退職をチラつかせて、『彼』に結婚のプレッシャーを与えていたくらいなんだから、本気に決まってる。