百花繚乱 社内ラブカルテット
そう考えたら、二人の関係が一回や二回の浮気じゃないということになってしまう、けれど。
「浮気……景が浮気なんて……」
信じたくない。
気持ちが治まらず、私は額の生え際から前髪を掻き上げ、頭を抱えながらグシャグシャと掻き乱した。
伏せたままの視界で、樫本さんがビールのジョッキを手に取るのが見えた。
そして続く、シレッとした相槌。
「玄関先で盛るくらいじゃ、浅くもなく深くもなくってとこかな。とりあえず、室内に押し入る羽目にならなくて、助かったね」
「い、言わないれ、くらさいっ……!!」
他人事みたいに……!!
私は勢いよく頭を上げて、完全に呂律の回っていない声を張り上げた。
テーブルにドンと拳を打ちつけた私に、樫本さんが軽く背を引く気配を感じる。
「し、信じらんない……。あんな、あんな……」
半泣きになりながら、私は再びテーブルに突っ伏した。
樫本さんの意地悪な言葉で、思い出したくないのに鼓膜に直接蘇ってきてしまう。
景の部屋のドアの前に立った途端、中から聞こえてきた艶めかしい喘ぎ声。
その途中に挟まれる短い呻き声は、確かに景の物だった。
ドア一枚隔てただけの場所で、景と紀子ちゃんが何をしていたか――。
「浮気……景が浮気なんて……」
信じたくない。
気持ちが治まらず、私は額の生え際から前髪を掻き上げ、頭を抱えながらグシャグシャと掻き乱した。
伏せたままの視界で、樫本さんがビールのジョッキを手に取るのが見えた。
そして続く、シレッとした相槌。
「玄関先で盛るくらいじゃ、浅くもなく深くもなくってとこかな。とりあえず、室内に押し入る羽目にならなくて、助かったね」
「い、言わないれ、くらさいっ……!!」
他人事みたいに……!!
私は勢いよく頭を上げて、完全に呂律の回っていない声を張り上げた。
テーブルにドンと拳を打ちつけた私に、樫本さんが軽く背を引く気配を感じる。
「し、信じらんない……。あんな、あんな……」
半泣きになりながら、私は再びテーブルに突っ伏した。
樫本さんの意地悪な言葉で、思い出したくないのに鼓膜に直接蘇ってきてしまう。
景の部屋のドアの前に立った途端、中から聞こえてきた艶めかしい喘ぎ声。
その途中に挟まれる短い呻き声は、確かに景の物だった。
ドア一枚隔てただけの場所で、景と紀子ちゃんが何をしていたか――。