春色のletter

翌日からは普通に授業が始まった。


私にしてみれば、ぜんぜん余裕だったけど、絵里には付いていくのがやっとらしい。


「ねえ、夜梨。今度まとめて教えてね…」


休み時間、絵里が前の席から振り向いて、ため息をつきながらそう言った。


「はいはい」


私も机に頬杖をついて窓の外を眺めながらぼんやりと答えた。


ちょっと心ここにあらずだった。


絵里もそれに気付いたようで、前を向いてサックスの教本を見始めた。
< 113 / 487 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop