春色のletter
翌日からは普通に授業が始まった。
私にしてみれば、ぜんぜん余裕だったけど、絵里には付いていくのがやっとらしい。
「ねえ、夜梨。今度まとめて教えてね…」
休み時間、絵里が前の席から振り向いて、ため息をつきながらそう言った。
「はいはい」
私も机に頬杖をついて窓の外を眺めながらぼんやりと答えた。
ちょっと心ここにあらずだった。
絵里もそれに気付いたようで、前を向いてサックスの教本を見始めた。