春色のletter
少し料理の話をしていると、横で美沙ちゃんがこっくりこっくりとし始めた。


「じゃあ、ちょっとこの娘、寝かせてくるね」


「はい」


彼女が美沙ちゃんを抱えて行った後、リビングを見回した。


角部屋なので、リビングの短辺側と長辺側2面がベランダになっている珍しい贅沢な間取り。


もう一つの短辺側の壁に50型くらいのテレビとホームシアターの設備。


それに向けたソファ。


壁際の天井まで伸びる作り付けの棚には、家族の写真立てがいっぱい並んでいる。


どこもきれいに片付いている。


それでいて、生活感がある。


いい家庭なんだと思う。




佐伯さんは「悪いな、ゆっくりしていけや」と言いながら書斎へ籠もった。


きっと、心のアフターケアは沙也さんに任せたということだろう。
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