春色のletter

階段のところで座って、夕日でシルエットになっている佐伯さんを、私が「わっ!」と驚かせたら、彼は買ったばかりのカメラを落とした。


ガシャンガシャンと音を立てながら落ちていくカメラの音が今でも耳に残っている。


その後、しばらくバイト代がその弁償代になった苦い思い出。


「あの時買い換えたカメラはまだ使えるんだぜ」


「あ、そうなんですか」


「実は、今だから言うが…、おまえのおかげでもう一クラス上の機種にしたんだ」


「え!!うそ!」


「ありがとな」


「ひっどーい!」


私はド突こうとしたが、避けられた。
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