春色のletter
「ちょっと歩こうよ」
「うん」
堤防沿いに散策路があって、そこを二人で歩いて行った。
道は少し葉っぱが落ちていて湿っている感じだったけど、風は爽やかだった。
貯水池の水は深い緑色をしていた。
その向こうの道路をバイクが飛ばして行くのが見えた。
「ハルもあんな風に飛ばしてるの?」
「うん、まあ…」
「転けたりしない?」
「もう慣れた」
彼は苦笑しながら答えた。
「え?転んでるの?」
「うん、まあ…」
私は思わず彼の腕を掴んだ。
「気をつけてよ」
その腕を見ながら、ハルが戸惑ったように、「ごめん」と言った。
「ケガして欲しくない…」
「ごめん」
バツの悪そうな表情をして頭をかいていた。