春色のletter
バンドの練習場所はハルの友達の実家だった。
その人の家は靴の卸をやっていて、家の前に大きな倉庫があった。
その2階がカーペットを敷いた大きな部屋で、そこが練習場だった。
みんなに紹介されて、しばらく練習を聴いていた後休憩の時に、恐る恐るそのクッキーを出した。
みんなは少しは食べてくれたけど、やっぱり、残った。
ちょっと落ち込んだけど、気が付くと、ハルが一人でそれを平らげていた。
「ごめん、全部食べちゃった」
ハルはそう言って、頭をかいた。
「ううん」
私は笑顔で顔を振った。
彼らはまた近々あるフリーライブに参加するらしい。
それは、私が福岡に行く前の最後のライブになる。