春色のletter
その2週間後、私と絵里は夜宮高校を卒業した。


校門を出る時、絵里と二人で振り返った。


「いろいろあったね」


「うん」


たった3年なのに、その思い出は溢れてくる。


「私、夜梨とこの学校へ来られてよかったよ」


「うん、私も」


「夜梨、ありがとね」


絵里が私に向いてそう言った。


「え?なにが?」


「ううん」


絵里は軽く首を振ると、また学校の方へ視線を戻した。


私も、また学校を見た。


「ほら、帰るわよ」


母が先の方で言った。


「はあい。絵里、行こ」


「うん」


私と絵里は小走りに母達の後を追った。
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