春色のletter
駅前劇場の前を通り、いくつか路地を曲がって、10分ほど。


それらしいマンションを見つけた。


ベランダとかの造りは以外と小さめ。


ワンルームマンションなのだろうか。


入り口に入ると、ステンレスの鈍い銀色の郵便受けが並んでいた。


306号室を見てみると、何も表示がなかった。


よく見たら、他の部屋も名前が出ている方が少なかった。


オートロックでもないマンションなので、うちと違って名前を出すのは危ないのかもしれない。


私は、誰もいない管理人室の前からエレベーターに乗った。


小さめのエレベーターは動きが遅く感じた。


意外と響く大きな音を立ててガクッと停まると、扉がゆっくりと開いた。


目の前の最初の部屋が301だった。


その先のドアを数えて、一番端のドアが306のようだった。


私はとりあえず、ドアの部屋番号を眺めながら歩いた。
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