春色のletter
「303、304、305……306」


その表札にも名前は出ていなかった。


私はいったん、後ろを振り返って、ここからの景色を眺めた。


何となく、手紙の風景とは違う気がした。


「そうだよね。ベランダ側の景色だろうし」


私はゆっくりドアの方を向くと、インターホンを見つめた。


そっと手を伸ばした。


指先が止まる。
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