幸せの構図
この店に客として今立っている。そして店の誰も私のことは知らない。寂しさと歳月のはかなさを感じた。

しかしこの扉の向こう側に今私を待ってくれる人たちがいる。少なくとも3人は・・・

私は静かに店内に入っていった。

「いらっしゃいませ~~!何名様ですか?」

「いや、連れが何人か来ていると思うんですが・・・」

「佐藤様ですか?」

「えっ?あ、はい・・・」

「はい、皆様お待ちになっております。お座敷の方へどうぞ」

なんだか段取りが良すぎるなぁと思った。入り口からは死角になっている左奧の座敷に向かった。
< 443 / 596 >

この作品をシェア

pagetop