幸せの構図
気が付けばすっかり夜になっていた。私は日野の丘に向かうことにした。クリスマスイヴに一人夜景を見ながら石段に座って歌った「きよしこの夜」。いろんな想いを抱えて何度も見たあの景色。久しぶりに見ることが出来る。

私は心なしか興奮していたようだ。

「私はりつこのようにりつこの残存思念に触れることができるだろうか。そして自らの当時の残存思念にも語りかけることができるのだろうか」

街灯のない狭い上り坂をゆっくりと車を走らせた。
< 475 / 596 >

この作品をシェア

pagetop