幸せの構図

10

丘の上は当時のまま、夜景も変わりなく私の目の前に光り輝いていた。

一気にあの頃の想いが私の中に巡った。

静かな時が流れた。初めてこの場所に来た時の想い、そしてことある事に訪れたその時々の想いが愛しかった。

石段に腰掛けてみた。季節はずれの「きよしこの夜」を自然と口ずさんでいた。新宿のビル群がキラキラと笑っていた。池袋のサンシャイン、目をこらせば東京タワーも、そして気のせいか湾岸付近も霞みながらも明るくぼ~っと輝いて見えた。

様々な想いが去来して時間の感覚を忘れそうだった。
< 476 / 596 >

この作品をシェア

pagetop