幸せの構図
それにしてもりつこがあの5年生の子・・・そう思うとりつこに対する想いがより広く深い奥行きを持ち、大きな意味を持つように思えた。それを確かめに、私たち2人を信じ、私は行き先を決めた。

「なんかあんたたち、凄いよね。結果はどうであれ、ちゃんと連絡してよ」

「ああ、まだ100%そうだと決まった訳じゃないけどな。後藤さんも知ってるのか?」

「もちろん。後藤さんはりつこさんが同一人物だって信じて疑ってなかったよ。自分のことみたいに興奮してたから私が電話したんだもん」

「そっか。まゆみはいつも冷静だな」

「でも冷たい女じゃないからね」

「わかってるよ」

「うん、まぁ、そういうことでよろしくね」

電話を切って私はようやく現実に戻された。目の前に既に運ばれていた大事な夕飯が冷えて置かれていた。
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