幸せの構図
そのりつこの目に飛び込んできたのは想像を絶する、垢にまみれていない躍動感のある広大で感動的な夜景だった。

その光景を見たりつこは言葉が出なかった。目を見開き思わず口に手をやった。そのままの格好でカラダが固まっていた。

相模湾沿岸の平塚から茅ヶ崎、藤沢、鎌倉、どこまでの風景が見えているかは分からない。地図で見ればわずかな海岸線の湾曲も壮大なカーブを描きながら無数のダイヤモンドをちりばめていた。

りつこはあまりの感動にただその夜景に呑み込まれていた。
< 588 / 596 >

この作品をシェア

pagetop