三次元に、恋をした。
お店の前にあったベンチに彼は座り話し出す。

「俺さ 由紀ちゃんのことタイプなんだよね〜 」

私は全くタイプではありません、むしろ論外。

眼中にもなくてすみませんね?って言ってやりたいくらい。

「ねぇ?今から抜けてさ、どっか行かない?」

立っていた私の腕を引き下から見上げるように見てくる視線。

この慣れた手つきに言葉巧みな台詞、彼にはよくある展開なのかもしれないな。

これが二次元だったら、私は落ちたかもね?

はぁ… と少し深めの溜息をつき彼に言葉をなげかけた。
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