三次元に、恋をした。
「私、二次元にしか興味ないんです」

その言葉の意味を弁護士は理解しているのだろうか。

こちらを見たまま全く微動だにしない。

「なのでお断りします。……手を離して頂けますか?」

「……っ、あ、はっ はい… 」

未だに頭の上にハテナマークがいっぱい付いているが、私の要件は終わった。

もうこの場にいる意味もないので帰ろうかと思ったのだが、

「ククッ… 相澤さん それマジで言ってんの?」

私の目の前にいる弁護士、とは違う声が私の耳に届いた。
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