三次元に、恋をした。
「…… 」

「あの…… 早く受け取って下さい」

彼の前に差し出すも一向に受け取る気配がない。

私の顔をジーっと見て、何かひらめいたのかニコッと笑って発した。

「ここでは受け取れない」

「……はあ?」

仮にも取引先の目上の人だとわかっていたが、思わず間抜けな声が出てしまった。

「ちょっと着いて来てくれる?」

そう言って私の腕を掴んだ…… かと思いきやパッとすぐに離して私から距離を取る彼。
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