三次元に、恋をした。
彼の後ろをついて行くも、職場の近隣なのに知らない小道を抜けていく。

互いに無言だったからかこんなにも体感時間が長く感じたのは初めてかも。

でも決して嫌な雰囲気ではなかったのは確かだ。

「ここだよ」

5分足らずで着いた目的の場所は“昔ながら”と言う言葉がよく似合う古びた居酒屋。

赤い暖簾(のれん)には焼鳥の文字が書かれており店の前では空腹をそそる匂いが充満している。

「この店内で貰うね?」

「なぜここで?」
< 60 / 198 >

この作品をシェア

pagetop