三次元に、恋をした。
「あそこで貰ってたら相澤さん絶対に帰ってたでしょ?」

まさかそこまで読まれていたとは。

私は彼の計画通りにまんまとハマったって訳ね。

「……はぁ… そこまでする意味がわからない」

「安心して?取って食ったりはしないよ。嫌われたくないからね」

嫌うもなにも貴方と私はそこまでの関係性の仲ではないんだけどな。

そんな私を余所にお店のドアを開け紳士的にエスコートしてくれているご様子。

「どうぞ?」

この扉の向こうでさらに彼との距離感が近くなるだなんて、その時は思ってもみなかった。
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