三次元に、恋をした。
中に入るや否や、とりあえず唖然。

外観からはわからなかったが、小さなお店の中にこれでもかってほどの人の数。

狭い店内に大の大人達がギッシリと詰め込まれている状態だ。

そのほとんどが男性、仕事帰りであろうスーツ姿の人や作業服の人達で賑わっている。

中には ちらほらと女性も見受けるが数えるほど。

その中をスイスイとかき分け奥へと進んでいく。

それはもう器用に行くもんだから、椅子と椅子の間で立ち往生してしまった。

「ほら、おいで?」

不意に差し出された手に、何の迷いもなく掴まり進んでいく。
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