俺様御曹司とナイショの社内恋愛
「で、どう川本さん、まだ二日目だけど、ここの仕事」

「・・・クリエイティブな発想が求められる仕事は、難しいです」

新しいゲームを仕掛けるなんて。

「ま、たしかにね」
白石はあっさりうなずく。

「Otomotionさんの現状を聞いて、なにかできることがあればとは思いますけど、でも・・・」
自分じゃ役に立てそうもない。どう考えても無理だ。

うん、うん。と白石は相槌を打っている。

合間に、飲みなよと絶妙なタイミングでワインが注がれる。


決められたことを、なるべく効率よく処理するのは努力すれば・・・

うん、うん、

今までにない新しい切り口を提案するなんて・・・

うん、うん、

見当もつかなくて・・・わたしにはなにも・・・

うん、うん・・・


———いつしか意識は、酔いと赤ワインの香りのなかに溶けてゆく・・・
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