俺様御曹司とナイショの社内恋愛
それでも月曜の朝になれば、服を着て、化粧をして、髪をとかして出勤する。
休むにしても、どこに、誰に、連絡を入れればいいのか。新しい部署の電話番号を、まだ登録していなかったことに気づく。

結局、サボる勇気もない小心な自分。

おはようございます、とエントランスでいつものように、モップを手にしている小宮山さんに挨拶する。

「おはよう川本っちゃん。あら、あんまり顔色良くないわねえ、だいじょうぶ?」

「うわっ、そうですか?」
思わず顔に手をあてる。

「最近、異動したばっかりだからお疲れ?
あの背の高いイケメンの御曹司くんと働くことになったんでしょ」

「ひええっ! なんで知ってるんですか?」
しゃべったおぼえはない。

「掃除のおばちゃんの耳には、いろんな噂が入ってくるのよ」
ふふっと笑ってみせる。

いろいろありまして・・・思わず吐露する。
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