俺様御曹司とナイショの社内恋愛
わたし、みっともな・・27にもなって・・

そんなによそよそしくしないでよ、隣から声がかかって、肩がびくんと揺れてしまう。

横目でこちらを見る、白石諒。

「知らない仲っていうわけじゃないんだしさ」

ガタッ!

勢いよく立ち上がった拍子に、椅子が派手な音をたてる。
そのまま逃げるように、その場を後にする。

どこか行く先などあるわけないのに。もう住宅環境部には戻れない。自分のデスクは白石諒の隣なのだから。
ああ、財布も持ってないから、自販機に飲み物を買いに行くこともできない。

それでも彼の顔をまともに見る勇気が出ず、さまよう足はビルの屋上へとたどり着いた。
昼休みともなると、ちらほらと休憩に来る社員の姿があるけれど、さすがに朝の屋上に人気はない。

はぁ・・・
盛大にため息をつく。

こんなところに逃げてきてもしょうがないのに。屋上でサボりって、学生じゃないんだから。

わいてくるのは自虐思考。

屋上の手すりに手をついて、背を丸める。
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