俺様御曹司とナイショの社内恋愛
———川本さん、体調悪いの?

突然背後からかけられた声に、驚いてふり向く。

「白石マネージャー・・・」
気がつかなかった。

「どうしてここに・・・」

いると分かったのか、そしてどうしてここに———

「エレベーターが最上階に止まってたから、ここかなって」

さすが、察しの良いことで。

「顔赤いよ」
言いながら近づいてくる。

「〜〜〜・・・」
誰のせいで———いや、自己責任、なのか・・・

「俺の顔見るなり逃げ出したら、心配もしますよ」
いちおう上司なんで、と付け足す。

理由なんて、分かっているくせに。

数歩の距離までつめてくる、白石。思わず後ずさってしまう。

「なんで逃げるの?」

近寄らないで、そう言いたくて、言葉は口から出てこない。
なんだかんだで、彼は上司で自分は部下だ。

「わたしは・・・」
だから部下として、上司に訴えるしかない。
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