俺様御曹司とナイショの社内恋愛
そんなことあったっけ?
だって、人と話してたら、誰か通りかかっても気づかないし・・・べつに白石さんとは縁もゆかりもないし・・・


「なんか気になって、気づけば、目で追うようになって。
住宅環境部の子だって知って、仕事の評判も聞いたよ。
知りません、分かりません、わたし営業じゃないので、そんなアシスタントが多いなか、商材の勉強にも積極的。タイプの違う営業マンに合わせて、柔軟に対応してくれる人だって」

なぜだろう。とてつもなく恥ずかしい。
わたしはただ、自分の居場所が欲しかった・・・

「今手がけてる案件の性質上、女性のアシスタントがいたほうがいいだろうってなったとき、もうきみしか、川本郁しか考えられなかった」

「・・・買いかぶりです」
あなたは非凡で、わたしは平凡。

「上層部に手を回して、俺のアシスタントにしてもらうことにしたのに。部署異動をイヤがってるって聞いて———」
一息おく。「何がなんでも、俺のものにしたくなった」

「そ、そんな無茶苦茶な・・」

「理屈じゃないんじゃない、こーゆーのって?」

そうかもしれないけど、相手の気持ちとか・・・って、また!・・・
< 43 / 63 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop