もし、キミが今ココにいたらまだ私は好きだったのかもしれない
No.3
それからミユキの特訓の日々がスタートした

朝のタイムスケジュールは

5時半
龍星の家に行く
ご飯を作る・食べる

6時
ご飯を食べ終わる
ミユキは茶碗の片付け
龍星は着替え・準備

6時半
ようやく出発


毎日朝5時に起きて5時半になると

龍星の家にピンポーン

御自宅訪問をしなければならない

「ほわゎぁ」

眠そうにドアを開ける龍星

「とりあえず入れよ」

えー!特訓とか言っときながら

ただミユキに

キミの朝食を作らせたいだけでしょ!

6時半になるとようやく龍星の家出発!

ミユキが走っている隣で一緒に走ってくれる


…のかと思いきや、隣で自転車

隣でチャリに乗ってるのはイラつくけど

ミユキのわがままにも付き合ってくれる…

「オイ!!」

龍星の印象が上がりそうだったのに

「この前の約束忘れたなんて言うなよ?」

ん?なんか約束なんてしたっけ?

「なんでもって言ったからな?」


あ…あぁーーーーー!!

そー言えばした!

してしまった!!

『なんでも言うこときく』

とか言ってしまった…

インターネットで調べたら 

男子が女子に言われて嬉しい言葉ランキング5位だったんだもん

あぁ…

だからミユキのわがままにも

付き合ってくれたんだね…

なぁんだ結局優しくなんか全然ない!


ちょっとサボろうと思えば

朝とか余裕でサボれる

今日はダルかったから休んだ

朝から学校に着いたら龍星は居なくて

「オイ!!」

ランドセルを片肩に背負った龍星が

遅刻連絡のついでにミユキの教室に来た

うぅぅぅ…殺される…

「お前が起こしに来ると思って寝坊したんだよ」

え!?そこ!?

てっきり私ミユキはサボったことを怒るんだと思った


やっぱり私のことを考えたりだとかはしないんだね

そして放課後は親には部活に行ってるふりして龍星との特訓…

2人一緒に行く公園

まるでデートしてるみたい…なんかテレる

相変わらずアイツは

なんとも思ってない顔だけどね

まずいつもの川の公園で特訓

5時~8時まで

きついけどキミの近くに居られるなら…

ね?みんなもそうでしょ?


こんな毎日が当たり前になってきた

朝5時に起きて

龍星の家に行って

ご飯作って

走って

ん?

ご飯を作りながらいまさらだけどふと思った

『ねぇ龍星』

『親いつも居なくない?』

うん。実はいつも居ない気がする

「なんで?」

なんでわかった?って顔

『親の服とか部屋とかがないんだもん』

あ…これは図星だな

『もしかして1人立ち?』

でもまだ小学生だよ?

うーん

でも親の気配が一切ないもん…


「あ…バレた?」

ホントに図星だったらしい。

「オレの家の話聞きたい?」

「まだ誰にも話したことないんだけどね」

え!?てことは…

2人だけの秘密の話ってこと?

好きな人の秘密を2人で共有とか最高!

『うん。知りたい。教えて。』

なるべく心を落ち着かせて冷静に言った

「いいよ」
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