もし、キミが今ココにいたらまだ私は好きだったのかもしれない
「まず親同士は離婚して

オレは父親についていったんだ

だけど父は働き過ぎで死んだ…

いわゆる『過労死』とやらだな

葬式のとき親戚の人と話したら

"どこに行くの?"

んで母の所に戻る事になって

一件落着…

かと思いきや、その母はすでに再婚してて

"戻って来んな"

でももう葬式のときに母の所に戻る

って言っちゃったから仕方ないんだ

オレは一人っ子だし

ほぼ1人暮らし状態

金は元母から貰ってるけど

毎月ギリギリ…

オレの月々の小遣いなんてありゃしない

だから今こうして『モデル』として

働いてんだ

この仕事は唯一オレができる仕事なんだ」


そうだったんだ…

何も知らなかったしてゆーかモデル!?

やっぱ顔キレイなだけあるかも

すごいなぁ

私には1人暮らしとかできないよ

「じゃあ私」

「ん?」

「体育大会終わっても毎朝ココにご飯作りに来るね」

調理だけは自信ある私

「え、ホント!?」

驚いた顔で無邪気に笑った

あぁやっぱ私、龍星のことが好きなんだ


でも体育大会が終わるまでは特訓の日々…

ちょっとサボろうと思っても

今度は龍星の方から迎えに来てくれる

この温かい気持ちはなんだろう?

…恋?

いや違う。

『愛』の方が合ってる

あぁ私、恋してるんじゃなくて



愛してるんだ



これは私1人だけの秘密にしておこう。



あぁこれがいつか

"愛してるんだ"

じゃなくて

"愛し合ってるんだ"

になる日はくるのかな…


いや違う

私が

龍星が私のこと好きになってくれるように

頑張るんだ!

努力するんだもん!

ん?

でも何をすれば好きになってくれるんだ…?
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